災害の備えというと、水・食料・ライト・モバイルバッテリーが真っ先に思い浮かびます。けれど実際に被災した方の話を聞くと、困ったこととして必ず挙がるのが「手のケガ」です。
この夏、千葉県では8月13日からの記録的な大雨で床上浸水が2,000棟を超えました。7月末の熊本の地震では、住家の一部破損が2万棟を上回っています。水が引いたあと、揺れが収まったあとに待っているのは、長い後片づけの時間です。
9月1日の防災の日を前に、今日は「片づけの手」を守る備えについてお話しします。
浸水・破損のあとに、手のケガが増える理由
災害のあとの片づけは、素手ではまず始められません。
割れた窓ガラスの破片、飛び散った食器のかけら、崩れた棚の木片、剥がれた金属のささくれ、泥水に浸かった畳や家具。どれも、軍手ごしでも刺さります。実際、被災地の片づけでは、手のひらや指先の小さな刺し傷・切り傷が非常に多いといわれます。
やっかいなのは、小さいがゆえに後回しにされることです。「あとで抜こう」と放っておいた木片やガラス片が、泥や汗のなかで炎症を起こす。作業を続けるうちに深く押し込まれて、掴めなくなる。片づけは何日も続くので、小さな傷が積み重なると、そのまま作業効率にも響きます。
まずは厚手の作業用手袋を用意すること。そのうえで、「刺さってしまったものを、その場で確実に抜ける道具」を救急セットに入れておく——これが、災害の”あと”に効く備えです。
抜けるかどうかは「先端の精度」で決まる

ガラス片や木片を抜くとき、道具の差がはっきり出ます。
先端の合わせが甘い毛抜きだと、細く浅い破片の端を掴みきれません。滑って空振りするか、木片なら途中で折れてしまう。折れて皮膚の中に残ると、素人の手ではもう取れず、かえって化膿の原因になります。
大切なのは、先端がぴたりと合い、浅いものの根元を一発で掴める精度です。抜くときは、刺さった向きと同じ方向にゆっくり引くこと。明るい場所で、手をしっかり固定して。深く入って見えない、赤く腫れている、出血が止まらない——そうした場合は無理をせず、医療機関を受診してください。
SKILLKING毛抜きは、岐阜県関市の職人が0.1mm単位で先端を手仕上げした日本製です。大正15年(1926年)創業、100年の歴史をもつ刃物メーカーの精度が、この先端に入っています。価格は¥3,080。錆びにくいステンレス製なので、汗や水気の多い現場でも扱いやすいのも、災害時には効いてきます。
避難生活の「衛生」と「気持ち」を支える
毛抜きの出番は、ケガの応急処置だけではありません。
停電と断水が続けば、入浴も洗顔もままなりません。この夏の熊本の地震では、断水が一時8万戸を超えました。そんな環境で意外に効くのが、身だしなみを最低限整えられることです。眉や産毛、ヒゲまわりを整えるだけでも、鏡の中の自分の印象が変わり、気持ちがひとつ立て直せます。
避難所や車中泊のような環境では、心の消耗が身体の疲れと同じくらい重くのしかかります。小さくても、いつも通りにできることが一つあること。それが日常への足がかりになります。
使う前後は先端をアルコールで拭き、清潔な状態で使ってください。家族で共用する場合はとくに、消毒を習慣にしておくと安心です。ポーチの中でかさばらない一本だからこそ、非常持ち出し袋にも、車のダッシュボードにも入れておけます。
まとめ——防災の日に、救急ポーチを開けてみる

災害の備えは、「起きたその瞬間」だけを想像しがちです。けれど本当に長いのは、そのあとに続く復旧の日々です。
片づけで手を傷めないための厚手の手袋。刺さったものを確実に抜くための、先端精度の高い毛抜き。汗と泥のなかでも錆びにくい素材。この3つが揃っていれば、後片づけの負担はずいぶん軽くなります。
9月1日の防災の日には、非常持ち出し袋の食料と一緒に、救急ポーチの中身も開けてみてください。絆創膏と消毒液の隣に、頼れる毛抜きを一本。備えの完成度は、そういう細部で決まります。




