高耐食性ステンレスとは、錆びや腐食に強い性質を持つステンレス鋼のことです。クロムやモリブデンなどを含むことで耐久性が高まり、台所用品から化学プラント、海洋構造物まで幅広く利用されています。
説明
高耐食性ステンレスは、一般的な鉄の弱点である錆や腐食を克服するために開発された金属材料です。ステンレス鋼は基本的に鉄にクロムを加えることで表面に酸化被膜を作り、これが錆を防ぎます。さらにニッケルやモリブデン、窒素などを添加することで耐食性が飛躍的に向上し、酸や塩分に強い「高耐食性ステンレス」となります。このため、キッチン用品や医療器具のように清潔さが求められる場面はもちろん、海水にさらされる船舶や港湾設備、化学プラントの配管やタンクなどでも利用されます。高耐食性ステンレスは耐久性が非常に高いため、メンテナンスの頻度を減らせるという利点もあります。種類としてはSUS316Lやデュプレックスステンレス鋼などが有名で、特に塩害に強いことから沿岸地域で重宝されています。環境に優しい長寿命素材としても注目されており、持続可能な社会を支える重要な材料の一つです。