デジタルの時代にこそ、アナログ火起こし「CHACCARD(チャッカード)」

製品コンセプト:電池に頼らない“確実性”をポケットに
スマホもモバイルバッテリーも、電気が切れたらただの重り。CHACCARD(チャッカード)は、電池もガスもいらないアナログ火起こしガジェットです。金属同士をこすって火花(スパーク)を出し、火口(ティンダー)に着火します。
デジタル機器は便利ですが、災害・停電・極寒・強風・濡れといった厳しい条件では性能が下がることがあります。そこで“最後の手段”として、防災用品にもEDC(毎日持ち歩く道具)にも組み込みやすいミニマル設計をめざしたのがCHACCARD。
日常ではちょっとしたアウトドアやソロキャンプの着火に、もしもの時には生活の火種を確保するための一台です。
こんな人に刺さる:EDCミニマリスト/停電・災害の備え/ソロキャン
- ガジェット好きミニマリスト:電池不要で冗長化(バックアップ)できる“本質的な道具”をEDCに入れたい。
- 防災重視の家庭・個人:非常用持ち出し袋に“確実な火起こし”を追加して、停電時の調理・保温の選択肢を増やしたい。
- ソロ・ULキャンパー:着火剤なしでも火を起こせるスキルと道具を持ち、デジタル・ガジェットに頼り切らない体験を楽しみたい。
なぜ今“アナログ”なのか:EDC視点の3つの合理性
冗長化(バックアップ):一次電源が死んでも火は起こせる
災害や停電では、電池・充電という前提がよく崩れます。電子ライターやプラズマライターは強力ですが、充電切れ=使えないに直結。
CHACCARD(チャッカード)のようなアナログ火起こしは、電池不要で着火できるのが最大の強み。
- EDCガジェットの冗長化として、電子ライター+CHACCARDの二系統にしておくと安心。
- 停電対策では、スマホやバッテリーは通信と情報に温存し、火起こしはアナログに任せると役割分担が明確。
- 低温・強風・小雨などデジタルが苦手な場面でも、スパークは出せます(火口が乾いていることが前提)。
メンテの容易さ:予熱不要・燃料管理不要・ロングライフ
CHACCARDは燃料の補充や保管がいらないのが特徴です。
- 使うたびにフェロセリウムロッドが少しずつ削れていくだけ。消耗の見た目が分かりやすい。
- 予熱・着火剤・ガス缶が不要。非常袋に長期保管しても、取り出してすぐ使えます。
- メンテは乾いた布で拭く/ストライカーのエッジを整える程度。道具に不慣れでも管理が簡単。
結果、コストの見通しが良く、EDCミニマリストの「少ない物で回す」思想と相性がよいです。
環境と法令配慮:可燃ガス不使用、取り扱いルールは事前確認
CHACCARDは可燃ガスを使わない防災用品。
- 家庭内のガス漏れリスクや缶の劣化を気にしなくてよい。保管が安全・シンプル。
- 屋外での使用は火気ルールを守ることが前提。公園・キャンプ場・河川敷は各施設の規定を必ず確認。
- 航空機・イベント会場・屋内などは、火花を出す器具として持ち込み・使用が制限される場合があります。渡航・入場前に最新ルールをチェックしてください。
CHACCARDの主要特徴

強力スパークの要:フェロセリウムロッドの材質と径
火花の量と温度はロッドの材質と太さ(径)で決まります。
- 材質:フェロセリウムはこすれると3,000℃級の火花を大量に出します。表面に軽く酸化皮膜があっても問題ありません。
- 太さの目安:
- EDC最小構成…細め(約3〜4mm):軽くて携行しやすい。小さな火口向け。
- オールラウンダー…中太(約5〜6mm):火花量と携行性のバランスが良い。
- 悪条件対応…太め(約7〜8mm以上):強風・寒冷・湿度に強いが重くなる。
- ストライカーのエッジ:刃物の町・関の技術でも大事なのは直角に近いエッジ。角が立っているほど火花が濃くなります。
ワンハンド操作性・左利き/手袋対応の設計
現場では片手で固定、片手で引くのが基本です。
- 動かすのはロッド:火口の上でストライカーを固定し、ロッドを後ろへ引くと火口がずれません。
- 左利きOK:ロッドとストライカーが左右対称なら、どちらの手でも同じ動きで扱えます。
- 手袋対応:ストライカーに滑り止め(ギザ加工・縦溝)があると、冬でも力が逃げにくいです。
耐水・耐久:濡れても使える条件と限界
フェロセリウムは濡れても拭けば使えます。ただし火は乾いた火口にしか移りません。
- 雨天:ロッドを衣服の内側で拭く→火口を極力乾燥させる(ジップ袋やフィルムケースで携行)。
- 海辺・塩害:使用後は水拭き→乾拭き。長期保管は薄く防錆油か乾燥剤と一緒に。
- 落下・摩耗:ロッドは使うたびに削れて短くなります。割れ防止のカバーやネジ留めだと安心。
火口(ティンダー)との相性:チャークロス/麻繊維/綿球
スパークは受け皿(火口)次第で成否が決まります。
- 相性が良い:チャークロス、麻繊維(ジュート)、コットンボール、ティッシュ+リップ/ワセリン少量。
- 家の代用品:コットンパフ、キッチンペーパー、割り箸の削りカス、段ボールの焦がし面。
- 置き方:火口はフワッと。つぶすと空気が入らず燃え広がりません。
デザイン&携行性:ポケット/キーチェーン/ネック仕様
防災用品でもEDCでも、持ち歩けてこそ意味があります。
- 薄型プレート+短ロッドはポケット常駐に最適。
- キーチェーン/ネックは紛失防止に有利。金属同士が当たる傷対策にソフトケースがあると◎。
- 統合型(ロッド+ストライカー一体)だと取り出し〜着火までが速い。
火花の飛散距離と安全エリア(屋外基準)
火花は数十センチ先まで飛ぶことがあります。風が強いほど伸びて散ると考えてください。
- 安全エリア:人や荷物から半径2mを目安にクリア。地面は不燃面(土・石・耐火シート)。
- 向き:風下に火口、風上からスパークを落とす。
- 消火:水・砂・濡れタオルのどれかは必ず手元に。終わったら手で触れない(熾火が残ることあり)。
用途別シナリオ:日常・停電・アウトドア・教育
停電72時間シナリオ:自宅での調理・保温をどう確保するか
前提:屋内での直火はNG。 一酸化炭素(CO)中毒や火災の危険があります。火気は屋外・ベランダ不可の住居なら共用ルールに従い、許可された屋外のみで行います。
CHACCARD(チャッカード)は点火役として以下に活躍します。
- 固形燃料・アルコールストーブ:着火剤なしでもスパークで点火。風が強い時は風防を。
- キャンドル:熱源・明かり・種火として有効。キャンドル→固形燃料→小枝と段階的に育てる。
- 新聞・ダンボールの炭化部:事前に黒く焦がした面を作っておくと、スパークが乗りやすい。
72時間ミニ装備(非常袋)
- CHACCARD本体/ストライカー
- コットン+ワセリン(密封袋)/麻紐
- 固形燃料 or アルコールストーブ/耐風ライター(冗長化)
- 耐火シート/小型風防/消火用の水
- 軍手・ライト(ヘッッドランプ)・ホイッスル
EDCとしての平時運用:通勤バッグ/車載/ポーチ配置
- 通勤バッグ:ペンケースサイズのEDCポーチにCHACCARD、コットン+ワセリン、耐火シートを名刺入れ程度の薄さで常備。
- 車載:高温になるため金属パーツの熱に注意。日陰収納+耐熱ポーチで。
- 点検ルーティン(月1回 / 2分):
- ロッド残量チェック 2) ストライカーの角が立っているか 3) 火口の湿気
- ミニ練習:公園等の許可エリアで1スパーク=1着火を目標に。癖を体に入れておくと非常時が楽。
ソロ/ULキャンプ:着火剤なしで火を立ち上げる
- フォーム固定:ストライカー固定、ロッドを引くが基本。火口はふわっと。
- 焚き付け設計:チャークロス→フェザースティック(薄削り多め)→鉛筆太→親指太→手首太の順で必ず段階を用意。
- 悪条件:小雨時は樹皮の内側や倒木の芯から乾いた部分を削って混ぜる。
- 冗長化:電子ライターや防水マッチも予備として携行。一手段の故障で計画が止まらないのがULの安全。
- マナー:既設の焚き火台のみ使用。地面直火NGの場所では耐火シートでも不可。施設ルール優先。
防災教育・ワークショップ:安全に“火の本質”を教える
- 火の三要素(燃料・酸素・熱)を見える化:
- 燃料=コットン 酸素=ふんわり整える 熱=スパーク
- デモ手順:講師がフォームを見せる→参加者は素振り→本番。一度に着火できる人数・距離を管理。
- 安全設営:不燃面(砂・土・耐火シート)/半径2mクリア/水・砂・濡れタオルを手元に。
- 年少者:必ず大人が管理。屋内・ベランダは禁止。終了後は熾火の確認→完全消火→触らない。
- 学びの狙い:デジタル機器が止まってもアナログで問題解決できることを体験する。
比較検討:ライター/電子ライター/他社ファイヤースターター

比較表:着火安定性・耐環境性・メンテ性・コスト/回数
道具 | 電源/燃料 | 着火安定性 | 風/雨/寒冷への強さ | メンテ・保管 | ランニングコスト | 向いている場面 |
---|---|---|---|---|---|---|
CHACCARD(フェロセリウム系) | 不要 | ○(火口次第) | 強い(濡れても拭けば可) | 乾拭き・角の維持だけ | 低 | EDC、防災用品、登山 |
ガスライター | ブタン | 高い(無風時) | 風・低温に弱め | ガス残量管理 | 中 | 日常、屋外の微風 |
防風(ターボ)ライター | ブタン | 非常に高い | 風に強い/寒冷にやや弱 | 点検必要 | 中 | 釣り、風の強い日 |
プラズマ(USB) | 充電 | 高い(近接点火) | 風に強い/雨× | 充電管理 | 低〜中 | 日帰りアウトドア |
防水マッチ | 使い切り | 高い(着火剤併用で) | 風雨に比較的強い | 個包装・湿気管理 | 中〜高 | 緊急時の切り札 |
マグネシウムバー | 不要 | ○(火口にマグ粉) | 強い | 削りカス管理 | 低 | 悪条件の着火 |
要点:電池・燃料を使わないCHACCARDは、環境耐性と保管の気楽さが強み。ガスや充電が切れても“最後の手”として機能します。
プラズマライター/防水マッチ/“永久マッチ”との違い
- プラズマライター:スイッチ一つで楽。ただし充電切れと濡れに弱い。EDCでは補助に最適。
- 防水マッチ:強風・小雨に強いが本数に限りあり。非常袋の一次起動として頼れる。
- “永久マッチ”(オイル系):オイルが切れるとNG。保管中の揮発とパッキン劣化に注意。
- CHACCARD:無補給で長期保管に強い。練習コストが低く、技術=資産化しやすい。
ユースケース別ベストチョイス
- 自宅備蓄(防災):CHACCARD+防水マッチ+キャンドルの三段構え。電池やガスに依存しすぎない設計。
- EDC(通勤・街):CHACCARD+小型プラズマ。デジタルとアナログの二系統で冗長化。
- 登山・縦走:CHACCARD+防風ライター。高度・低温での点火成功率を底上げ。
- 冬キャン・強風日:防風ライターが主、CHACCARDを予備に。火口は油分系を用意。
CHACCARDが有利になる場面/不利になる場面
- 有利
- 停電・災害で充電・燃料の補給が難しいとき
- 雨上がり・低温など、環境が悪いとき(火口が乾いていれば可)
- 長期保管の防災用品として、劣化要因が少ないことを重視するとき
- 不利
- 屋内・火気厳禁の場所(そもそも使用不可)
- 完全な土砂降りや火口が濡れている状況
- 今すぐワンボタンで火がほしい用途(ガス/プラズマが速い)
セットアップ&持ち運び最適化
最小構成EDCキット例(火口・耐風対策・収納)
名刺入れサイズで「いつでも着火」を作ります。
- CHACCARD本体+ストライカー(一体型だと取り出しが速い)
- 火口:コットンボール2〜3個+ワセリン少量(密封ミニ袋)
- 耐火シート:A6サイズ(名刺2枚ぶん程度)
- 簡易風防:厚手アルミホイルを名刺大に折りたたみ
- ミニ消火:密封ストローに水を入れる or ウェットティッシュ1枚
- 収納:フラットなジップ袋 or 薄型ポーチ(耐熱・耐水)
都市型EDCの収納例(スーツ/通勤バッグ)
- スーツの日:内ポケットのカードケースにキットを一式。厚みは1cm以内を目標。
- 通勤バッグ:ファスナー付き内ポケットに格納。取り出す順に並べる(上:CHACCARD → 中:火口 → 下:シート)。
- キーリング運用:本体をクイックリリース金具で着脱。必要時だけ外して使うと紛失が減る。
- 車載:ダッシュボード不可。直射日光を避ける。夏場は金属が高温になるため耐熱ポーチ必須。
ケース/ストラップ選びと紛失防止
- ケース:ロッド先端を守るキャップ付きが◎。金属同士が触れても音・傷が出にくい布/シリコン内張りが便利。
- ストラップ:手袋でもつかみやすい太めループ。火花方向にぶら下がらない位置に固定。
- 色:落としても見つかるハイビズ(蛍光色)が実用的。
- 識別:ネームテープ/連絡先タグ/スマホ紛失防止タグをケース側に付ける(本体は高温になるため最低限)。
防錆・吸湿対策(シリカゲル・Oリング・乾燥材)
- 日常:使用後は乾拭き→雨天や海辺使用時は水拭き→乾拭き。
- 薄く防錆:長期保管はロッドに極薄のミネラルオイルを塗布(ティッシュで拭き伸ばす)。
- 乾燥管理:収納ポーチに小型シリカゲルを1つ。色付きタイプなら交換時期が見える。
- Oリング:ネジ式カプセル収納ならOリングで湿気侵入をカット。半年に一度、ひび割れ確認。
- 保管場所:玄関や非常袋の取り出しやすい位置。高温多湿を避け、金属粉が付く物(電子機器端子)と分ける。