三点支持は、登るときに「手2本+足1本」や「手1本+足2本」のように、体を支える接点を常に3点確保する考え方です。接点が多いほど体は安定し、滑ったりバランスを崩したりしにくくなります。ツリークライミングでは、木の表面は乾いている日もあれば濡れている日もあり、樹皮の形も一様ではありません。そのため、勢いで動くより、三点支持を守りながら一つずつ確実に体重移動するのが安全です。初心者が事故を減らすための最重要ルールの一つとして覚えておくと役立ちます。
説明
三点支持(スリーポイントコンタクト)は、登攀や高所作業で広く使われる安全原則で、「身体が不安定になる瞬間を作らない」ための方法です。基本は、移動中に手足4点のうち1点だけを動かし、残り3点で身体を支え続けることです。たとえば、右足を次の足場へ移す間は、左足と両手で安定を作る。次に右手を動かすなら、両足と左手で支える、という具合です。ツリークライミングでは、地面や岩と違って“足場が変形する”のが特徴です。枝はしなり、幹は樹皮で滑りやすく、苔や雨で摩擦が急に下がることもあります。だからこそ、三点支持は「力が足りない人のため」ではなく、「環境が変わる場所での標準装備の考え方」になります。実践のコツは、接点の“質”も同時に確かめることです。3点あっても、どれも弱ければ意味がありません。手で掴む場所は、枝なら付け根側、幹なら凹凸があり滑りにくい部分を選びます。足は、枝の上面の安定したところに置き、つま先だけで乗らず足裏全体で踏む意識を持ちます。また、三点支持はスピードを落とすためのルールではなく、結果的に速く安全に進むための技術でもあります。焦って2点支持になり、滑って立て直す時間のほうが大きなロスになるからです。さらにツリークライミングでは、ロープやランヤード(胴綱)が「もう1点の支持」になることがあります。ただし、ロープがあるからといって雑に動くと、振られ(スイング)や枝への過負荷を招きます。三点支持の発想は「道具に頼る」ではなく、「手足と道具の支えを統合して、常に安定状態を保つ」と捉えると上達が早いです。練習では、低い位置でゆっくり動き、体重移動の順番(どこから重さが抜け、どこに乗るか)を言語化すると身につきます。安全の基本は地味ですが、地味な基本ほど命を守ります。


