にし阿波とは、徳島県西部の地域を指す名称で、美馬市や三好市などを含む一帯を指します。急峻な山々と清流が織りなす自然豊かな地域で、古くから山間の生活文化や伝統が息づいています。
説明
にし阿波は徳島県西部に広がる地域で、美馬市・三好市・つるぎ町・東みよし町などを含みます。この地域は四国山地の険しい地形に囲まれ、急傾斜地を活用した独特の農業が営まれてきました。代表的なのが「傾斜地農耕システム」で、狭い山間部を切り開きながら持続可能な農業を築き上げてきたのです。この生活の知恵は世界農業遺産にも認定され、国内外から注目を集めています。また、にし阿波は歴史的にも交通の要衝であり、阿波から讃岐や土佐へ抜ける街道が通じ、多くの人や文化が行き交いました。さらに、祖谷渓や大歩危小歩危などの渓谷美は観光地としても有名で、吊り橋や秘境温泉などが訪れる人々を魅了します。伝統的な民家や祭りも多く、自然・歴史・文化が融合した地域として独自の魅力を放っています。現代では過疎化や高齢化が課題ですが、観光や地域資源を活かした取り組みが進められており、「山の暮らしの知恵」を未来へと繋げる活動が盛んに行われています。