ヘアラインとは、金属表面に細かく均一な筋を入れて、落ち着いたツヤを出す表面処理のことです。主にステンレスやアルミなどに使われ、キッチンや家電、建築材料などで高級感を演出します。
説明
ヘアライン(Hairline)は、金属の表面を研磨して一定方向に細い線状の模様をつける仕上げ方法のことです。この筋模様が髪の毛(ヘア)のように細く連なって見えることから、「ヘアライン仕上げ」と呼ばれています。主にステンレス(SUS)やアルミ、真鍮などの金属素材に施され、鏡面仕上げのようにピカピカと反射しすぎず、落ち着いた上品さを出せるのが特徴です。例えば、エレベーターの壁面、キッチンの天板、家電製品の外装、自動車のインテリアパネルなど、私たちの身近な場所でも数多く採用されています。ヘアライン仕上げには、いくつかのバリエーションがあります。一般的な「長手方向ヘアライン」のほか、「クロスヘアライン」や「ランダムヘアライン」といった、線の方向や模様を工夫したデザイン仕上げも存在します。これにより、用途やデザイン意図に合わせて質感をコントロールできるのです。機能面でもメリットがあります。ヘアライン加工を施すことで、表面の小さなキズや汚れが目立ちにくくなるため、実用性も高い仕上げ方法です。また、反射を抑えることで光の映り込みが減り、落ち着いた空間デザインを実現できます。一方で、線の方向を乱さないようにメンテナンスする必要があるため、清掃時には専用のクリーナーや方向に沿った拭き取りが推奨されます。ヘアラインは、美観と機能性を両立した、もっとも人気の高い金属表面仕上げのひとつです。