麻繊維とは、麻という植物の茎からとれる繊維のことです。代表的にはリネンやヘンプと呼ばれるものがあり、古くから衣服や縄、袋などに使われてきました。丈夫で吸湿性が高く、夏に涼しく使えることから、今でも布地や日用品に利用されています。天然素材の中でも環境負荷が少ないことから、近年エコ素材として再注目されています。
説明
麻繊維は人類が最も古くから利用してきた天然繊維の一つで、考古学的には約1万年前の遺跡からも使用の痕跡が見つかっています。リネンは亜麻(フラックス)からとれる繊維で、光沢があり涼感に優れるため、シーツやシャツ、テーブルクロスなどに多用されます。ヘンプは大麻草からとれる繊維で、強度が高く水に濡れても劣化しにくいため、ロープや帆布、工業用繊維として使われてきました。どちらも吸湿性と速乾性に優れているので、蒸し暑い季節でも肌触りが快適です。さらに麻の栽培は農薬や化学肥料をほとんど必要としないため、持続可能な素材として評価されています。最近ではファッションやインテリアだけでなく、バイオプラスチックや建材など新しい分野でも活用が広がっています。