カード型マルチツールとは?防災に使えるの?
カード型マルチツールの基本機能
カード型マルチツールとは、クレジットカードほどのサイズに、複数の機能を搭載したコンパクトなツールです。財布やポーチに入れて持ち運べるため、「いざというときの備え」として注目されています。
一般的なカード型ツールには以下のような機能がついています:
製品によっては、アウトドア・防災・DIY用途などに合わせて、機能が少しずつ異なります。
非常用として注目される理由
災害時には、「荷物をコンパクトに」「最低限のツールを手元に」が鉄則です。
カード型マルチツールは、
- 持ち運びが圧倒的にラク
- 重くない・邪魔にならない
- 複数の道具を一つにまとめられる
という点で、防災リュックや非常用ポーチの中に1つ入れておくと安心なアイテムです。
特に、
- 突然の停電や断水
- 自宅からの避難が必要なとき
- 救助を待つ間の簡易作業
など、軽装でも使えるツールとして重宝されます。
どんな災害に対応できるの?
たとえば、以下のような災害時に活用される場面があります。
| 災害 | 活用シーン |
|---|---|
| 地震 | 缶詰の開封、簡易修理 |
| 台風 | 破損物の応急処置 |
| 停電・断水 | 簡単な火起こし、照明設置の調整など |
| 洪水 | 荷物を結束する麻紐のカット、応急対応 |
もちろん、あくまで補助的な道具なので、これ一つですべてが完結するわけではありません。
でも、持っていることで「できることの幅」が確実に広がります。
子どもや高齢者でも使いやすい?
カード型マルチツールは小さくても刃物がついている場合があるため、子どもが直接使うことは避けた方が無難です。
ただし、持ち運びや収納がしやすく、必要なときに家族の誰かがすぐ取り出せる設計になっているため、家族全体の防災力を高めるツールとして有効です。
高齢者の場合も、力をあまり必要としない機能(缶切りやドライバーなど)を使える場面もあります。
災害シミュレーションで検証!カード型マルチツールは使えるのか?
災害時、本当にカード型マルチツールが役に立つのか?
ここでは、3つのシナリオを想定したシミュレーションをもとに、リアルな使い方やその限界を検証していきます。
ケース1:停電&断水の夜、屋内で避難生活
想定状況:
- 地震によるライフラインの停止
- 自宅で数日間の避難生活を強いられる
活用例:
- 「缶切り機能」で缶詰を開けて食事確保
- 「火打ち石&ストライカー」で簡易ガスコンロの点火(マッチ代わり)
- 「マイナスドライバー」で電池式ランタンの電池カバーを開ける
🔎検証ポイント
→ 日常に近い環境でも、細かい工具がないと意外に困る。
ケース2:地震後の屋外避難(倒壊・閉じ込め想定)
想定状況:
- 建物の一部倒壊、避難が遅れて屋外に出る
- 荷物は最小限、すぐには支援が来ない
活用例:
- 「鉋(かんな)」で木を削って火種を作成
- 「麻紐カッター」でブルーシートを張る準備
🔎検証ポイント
→ 本格的な工具がなくても、応急的に役立つ場面が多数。
ただし、作業にはある程度のコツや手先の器用さが必要。
ケース3:台風・洪水による避難所生活
想定状況:
- 家が浸水し、避難所生活に
- 限られたスペースで他人と共同生活
活用例:
- 「マイナスドライバー」で身の回りの補修
- 「缶切り」や「栓抜き」で共有食料を開封
- 「火起こし機能」は使用不可(屋内のため)
🔎検証ポイント
→ 避難所では火器使用が難しいが、補助的な道具として十分活躍。
使用中に気をつけたい注意点(怪我・誤使用)
- 刃物系機能(ノコギリ・カッター・鉋)はケガのリスクあり
- 火起こしは火事につながるおそれがあるため、使用場所に注意
- 子どもの手の届かない場所に収納を
ポイント:使う前に簡単な使い方を把握しておくと安心!
災害時に「初めて触る」ではなく、平時から練習しておくことが重要です。
役立った/役立たなかった機能一覧
| 機能 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| ノコギリ | ◎ | 小枝・薄い木材のカットに便利 |
| カンナ | ○ | 火種づくりや簡易加工に使える |
| 火打ち石&ストライカー | ○ | 野外では有効、屋内では使用不可 |
| 麻紐カッター | ◎ | ロープ・梱包紐の切断に便利 |
| 缶切り・栓抜き | ◎ | 食事や飲料の準備に活躍 |
| マイナスドライバー | ○ | 家電や備品の修理に使えるが力が必要な場面も |
非常用としてのメリット・デメリットを整理
災害用グッズとして注目されるカード型マルチツールですが、「何でもできそう」に見えて実は使いどころに特徴があります。
ここでは、防災視点でのメリット・デメリットを整理します。
小型・軽量で「持ち出しやすさ」は最強クラス
カード型マルチツールの一番の強みは、圧倒的な携帯性です。
- クレジットカードサイズでポーチや財布にも入る
- 薄くて軽いため、荷物のスペースを取らない
- 非常用バッグの「スキマ」にも入る
特に災害時は、持ち出す荷物が限られるため「軽さと省スペース性」は非常に重要です。
防災リュックに入れておいても負担にならず、気軽に携帯できます。
複数機能の「便利さ」と「限界」
1枚のカードに複数の機能が詰まっている点は、まさに“マルチ”。
ただし、それぞれの機能がプロ用ツールほど強力なわけではないという前提も忘れてはいけません。
メリット
- あれこれ持たなくても「一通りの作業」に対応
- 緊急時に役立つ最低限のツールが1つに集約
デメリット
- 力作業や長時間使用には不向き
- 精密作業は専用工具に比べてやや扱いにくい
- 慣れていないと使いづらい機能もある
💡ポイント:
「専用工具の代替」ではなく、「第一段階の応急処置」として使うのがベストです。
家族での使用・共有には向いている?
カード型マルチツールは、一家に一枚あると安心できるアイテムです。
- 父親:缶詰を開ける・補修をする
- 母親:調理時のカットや開封作業に
- 高齢者:ちょっとした修理に便利(無理のない範囲で)
- 子ども:使い方を見るだけでも「防災教育」に
特に家族で防災リュックを分けている場合は、それぞれのバッグに1つずつ入れておくのがおすすめです。
おすすめのカード型マルチツール【防災向け】

CHACCARD(チャッカード)|天研工業の多機能カード型ツール
防災×日本の技術を融合したカード型マルチツールとして、天研工業の「CHACCARD(チャッカード)」は特に注目されています。
主な機能
- ノコギリ(小枝の切断などに)
- 鉋(木を削って火種づくり)
- 火打ち石&ストライカー(火起こし)
- 麻紐カッター
- 栓抜き(※通常版のみ)
特徴
- 日本製・関市の職人技術で精密に作られた刃物パーツ
- コンパクトながら災害・アウトドア・DIYすべてに対応
- ケースには強化樹脂を使用しており耐久性も◎
防災リュックに1枚、車載用の緊急グッズとしてもおすすめ。
クラウドファンディングでも大反響を呼び、現在は公式ショップで購入可能です。
CHACCARDインディゴメタル|美しさと機能性の融合
「インディゴメタル」シリーズは、防災グッズにデザイン性を求めたい方にもおすすめ。
特徴
見た目の美しさと機能性のバランスが絶妙で、「使う喜び」と「持つ誇り」を感じさせる逸品です。
他の人気製品と比較してみた(サイズ・重さ・機能性)
| 製品名 | サイズ | 重さ | 主な機能 | 防災向けポイント |
|---|---|---|---|---|
| CHACCARD(チャッカード) | 約W55.7×H91×D8.7mm | 軽量 | ノコギリ、鉋、火打ち石、カッター等 | 国産・精度・耐久性◎ |
| A社製カードツール | 名刺サイズ | やや重い | ナイフ、ドライバー、定規等 | 火起こし非対応、災害向け△ |
| B社製(輸入) | 同等サイズ | 軽量 | 缶切り、ナイフ、六角レンチ | 海外製で刃物精度に不安あり |
比較すると、CHACCARDは“防災”に最適化された設計であることがよくわかります。
選び方のポイント(災害対策目線)
- 火起こし・カッター・ノコギリがあるか?
→ ライフライン停止時の対応力が段違いに。 - 安全性や耐久性は十分か?
→ 災害時に壊れたら意味がないため、国産の信頼できる製品を選びたい。 - 家族でシェアしやすいか?
→ 扱いやすさ・収納性も重要。
カード型マルチツールは「防災バッグに一つ」入れておくべき

他の防災グッズとどう組み合わせる?
カード型マルチツールは単体で万能というよりも、他の防災アイテムと組み合わせてこそ真価を発揮します。
たとえばこんな組み合わせが効果的です:
| カード型マルチツール機能 | 一緒に入れておくと良い物 |
|---|---|
| 火起こし(火打ち石) | 着火剤、小枝、アルミホイル |
| カッター・ノコギリ | ロープ、ブルーシート |
| ドライバー | 携帯ラジオ、ランタン |
| 缶切り・栓抜き | 非常食(缶詰など) |
このように、最低限の道具を補完するアイテムとして、軽量なカード型ツールは非常に有効です。
備えて安心、備えないと困る時も
災害はいつ起こるかわかりません。
備蓄水や食料と違って、道具は「その場で何かを解決する力」をくれます。
特にカード型マルチツールは、
- 荷物にならない
- すぐ取り出せる
- 様々な状況に柔軟に対応できる
という利点から、非常用グッズの中でも“使える”道具として、信頼性が高いのです。
たった1枚のカードが、
「助かった」と言える状況を生むかもしれません。



