ブッシュワッキングは、登山道や整備された道を外れて、藪や森の中をかき分けながら進む行動を指します。見通しが悪く足元も不安定になりやすいため、転倒や道迷い、植物によるケガが起こりやすいのが特徴です。また、無理に進むと衣類が破れたり、体力を大きく消耗したりします。必要な場面では、地図やコンパスで方向を確認し、ペースを落として安全優先で進むことが大切です。自然環境への影響も出やすいので、踏み荒らしを減らす意識も重要です。
説明
ブッシュワッキング(藪漕ぎ、オフトレイル歩行)は、道がない場所、または道が消えた場所で、藪・低木・倒木・笹などを避けたり押し分けたりしながら進む行為です。アウトドアでは「最短距離が最速ではない」代表例で、たった数百メートルでも、道の上の数キロより体力を奪われることがあります。危険は大きく分けて三つあります。第一に“視界不良による事故”です。穴や倒木、滑りやすい腐葉土、隠れた岩に足を取られ、捻挫や転倒が起きやすくなります。第二に“方向喪失(道迷い)”です。森の中は似た景色が続き、数十メートルずれるだけで尾根や沢を外し、戻れなくなることがあります。第三に“外傷と体温管理”です。枝で顔や目を傷つけたり、植物でかぶれたり、濡れた藪で服が冷えて低体温に近づくこともあります。安全に行うための基本は「情報→装備→行動」の順です。情報としては、地形図で尾根・沢・急斜面を把握し、進むべき“地形の線”を決めます。尾根筋を辿る、沢を下り過ぎない、等高線が詰んだ場所は避ける、といった計画が重要です。装備は、長袖長ズボン、グローブ、目を守るサングラス、そして擦れに強い素材の上着が役立ちます。場合によってはゲイターで足元を保護します。行動面では、ペースを落として足場確認を徹底し、1歩ごとに体重を乗せる前に“試す”癖をつけます。また、藪が濃い場所ほど、進行方向を頻繁に確認します。コンパスで方位を取り、地形図と地形(尾根の形、沢の向き)を照合し、位置を言葉で説明できる状態を保つと迷いにくいです。重要なのが撤退判断とのセットです。ブッシュワッキングは、続けるほど疲労が溜まり判断が鈍ります。「想定より遅い」「ルートが読めない」「衣類が濡れて冷える」などが重なると危険度が急上昇します。早めに尾根へ戻る、引き返す、迂回するなどの判断が、結果として成功率を上げます。最後に環境への配慮です。無理に新しい踏み跡を作ると植生を傷め、獣道を広げる原因にもなります。必要最小限の通過に留め、同じ場所を何度も踏み荒らさない工夫をすると、自然にも優しい行動になります。


